生成AIとAOUR

生成AIとAOUR

昨今(2026年2月時点)、生成AIが急速に進化してきている。仕事も趣味も、生活の細部にもAIの活用場面が拡大して、今やAIを使うのが当たり前の世になってきた。この先、まだここで想像出来ないような場面でも、もっとずっと活用は進むものと考えられる。特に、創作活動やコーディング、仕事においては企画・立案から単純な整理作業まで、大体AIが手作業の仕事に取って代わるものと思われる。

さしあたり、生成AIによる作業はAOURの考案や整理にも大変役立つ。自分はGoogleのGeminiなどをよく使うが「和文入力はAOURで」と題して整理したAOURの総合解説書的な文書などAOURに関わる資料をNotebookLMにソースとして読み込ませたら、短時間で全て解析して、多分考案者自分本人よりもAOURに詳しい知能のデータベースができあがった。
スライドや動画、1枚ものの画像など、的確な資料(……と言っても現時点ではまだ画像で出力される文字がおかしな漢字になっていることも少なくない)を作ってくれるし、AOURや入力方式、その有用無用などに関する質問にも全て答えてくれる。完全で誤りが無いとは言えないが、自分以外でAOURに詳しいのはもうGemini、NotebookLMだけである。

このサイトのトップページからリンクして、そのNotebookLMで作成してもらったAOURの紹介資料などを掲載している。紹介動画はYouTubeに置いた。サイトのリニューアル、CSSの更新などは既に生成AIはお手の物なので、それもしてもらったところである。十数年前、2013年にGoogle Siteからレンタルサーバでの運用に切り替えたときには、自分で多少の知識があったので、あとは書籍などを参考にしながら手作業でCSSを書いたが、AIにリニューアルを任せるとほとんど一瞬で要件を満たすCSSができあがる。見た目はシンプルながらきちんと最新の技術動向を踏まえて洗煉することが出来た。

文章書きなどもAIに任せようとも思ってやってみると、AIで良い文章は出来るのだが、何だか自分の書き癖だとか、良い文章のルールにはそぐわない、良くない部分が消えてしまって味気ない。これは、かつてワープロで出力された文章に心がこもっていないと思われたのと同じなのかわからないが、やはりこういう文章は自分で手書き入力で書いた方が自分の文章として安心が出来るので、今はまだこうして自分で書くことを基本にしてAIに補助をしてもらう程度にしたい。

さて、AOURとAIについては、当初はAOURの解説文を読み込ませたり解説のページを資料として与えてどのくらい理解出来るかを試してみたりした。例えば、「東京」をAOURで打鍵するとどういうキーの順になるかを訊ねてみたり、逆に「kwio」と打鍵するとAOURでは何と出力されるか、などの単純な問いかけをしてみたりした。最初はまだそれも完全に理解出来ていなかったり、AOURそのものを理解していなかったりもしたが、モデルが進化していくに連れ、現在ではほぼ確実にAOURのルールや拡張定義を理解していると思われる。
それでもまだ、AOURを「エー・オー・ユー・アール」と読まずにアウルとか何とか言い出すこともある。

面白いのは、自分が所々にちりばめたAOURの開発経過、練習・習得の経過、AOURに対する感想、AOURの効果などをしっかり拾ってきて、ローマ字入力と比較した削減率がこうであるとか、練習時の苦労やぼやきのようなものまで整理して、しっかりとそれを作成する資料の中に折り込んでしまったりもする。
自分が個人で集めたり考えたりしたものが他人の手によって整理されているみたいで、視点が違う部分もあって、偉業を為したみたいで、それがまた面白いと思う。自分では取るに足らないことに着目されていたりもして、逸話化されたりもするのか。

生成AIは、そのように、プロンプトによる指示をきちんと行えば、期待通りかそれを超えた結果を返してくれるようになった。プロンプトエンジニアリングが重要な世の中になるかと思っていたら、生成AIの進化により、今ではそのプロンプトさえも、意図を汲み取ってくれるようになって、言外を読む人間らしさが備わってきたし、有名なChatGPTだけではなく他のAIやそのエンジンを使った各種のAIツールも豊富になって、どのツールをどう使いこなすかということも重要になっている。

もしかしたら、ATOKのローマ字カスタマイズの制約を入れ込んでやったら、新しい入力配列も考案してくれるのではないかと思って、試しに次のようなプロンプトでGeminiに指示をしてみたら、十数秒で新たな入力配列の案を出してきた。

日本語入力システム、ATOKはローマ字定義のカスタマイズ機能があり、次のような制約があります。これを使って、ローマ字入力とは全く異なった入力方式の定義を考案してください。要件は次に示します。
## ATOKローマ字定義カスタマイズの制約
- 定義数上限は550
- 句読点のキーには割り当てられない
## 要件
- ローマ字のように、行と段を分けて打鍵する行段系の入力方式とする。
- 二重母音や撥音節などの拡張入力を定義する。

回答はこうである。

ATOKの550制限と句読点キー使用不可という制約の中で、打鍵効率を最大化しつつ、ローマ字入力の「子音+母音」という直感性を維持した新しい入力方式**『KAGURA(神楽)入力』**を考案しました。
この方式は、**「左手=母音・拡張」「右手=子音」**に完全に分離し、ホームポジションを極限まで動かさない設計です。
1. キー配列のデザイン(物理配置)
右手をコンソナント(子音)、左手をヴォーカル(母音)に割り振ります。
【……以下略……】

実際にそれはエラーなく定義できる入力配列の新案になるかは試さないとわからないが、もっと制約や要件を細かく指示したら、それなりの新しい入力方式ができてしまうような気もするのである。
無論、それに基づいて入力定義の一覧を作成させたり、解説書を作成させたりするようなこともできる。
生成AIはコードを書いてアプリケーションだって作れるのだから、そのくらいの作業は簡単に熟してしまうだろう。

生成AIの活用場面は、今後もっと広がっていくはずであるので、AOURのような入力方式の考案というニッチな場面、新配列についても、もっと多様化した未来が待っているのかもしれない。

(2026-02-22)